
ECというワードを聞いたことはありますか?筆者は、忙しい時や住んでいるエリアに店舗がないショップの商品はECで購入することが多いです。これを読んでいる皆さんの中にも、実際に利用経験がある方も多いかと思います。そこで今回は、利用経験がある方もない方も分かりやすいように「EC」についての解説をします。さらには、気になる今後のECサイトの動向も予測していきたいと思います。
そもそもECってなに?
そもそもECとは一体どのようなものでしょうか?そこから解説していきますと、ECは「エレクトロニック コマース」の略で、直訳すると「電子取引」という意味合いです。
電子取引と聞いた時点で、ご理解いただけたかと思いますが主に、インターネット上での売買を指します。有名どころですと「楽天市場」や「Amazon」もECと呼ばれるものの1つです。「オンラインストア」や「インターネット通販」と呼ばれるようなインターネットショッピングを一括りにして「EC」と呼びます。
アパレル業界のECの種類
アパレルの業界のECは大きな規模から、小さな規模まで増加傾向にあります。今回はその大きな規模と小さな規模を、細かく分析していきたいと思います。日頃皆さんが利用している、アパレルECはどこに分類されるのでしょうか?是非以下でチェックしてみてくださいね。
メーカーやブランド直営通販
こちらに関しては、実際に店舗を構えているメーカーやブランドが運営するオンラインストアです。人気商品の発売日当日に、実店舗だけでなくオンラインストアで販売するブランドも多くなってきていますので、並ばずに家にいながら人気商品をゲットできることで好評。また、ブランドによっては「オンライン限定アイテム」を展開して、実店舗との差別化を図るなどオンラインならではの特典や付加価値を創り出している場合もあります。当該のブランドが好きだけれど近隣に実店舗がないお客様からも重宝されます。
近年では、大手ファストファッションメーカーを筆頭に、オンライン限定クーポンや、オンライン送料無料キャンペーンなどを打ち出しています。(キャンペーン以外にも、毎回〇〇〇〇円以上購入で送料無料なども含む)そのため、実店舗でのショッピング体験と比べても差がない印象を受けるようになってきました。
ファッションモール通販
ファッションモール通販は、1つのサイトにいくつものブランドがあるECサイトのことを指します。人気の「ZOZOTOWN」もこれに分類されます。「こんなブランド知らなかった!」に出会えるきっかけにもなりますよね。また、レディースやメンズだけでなく、キッズもまとめて取り扱うサイトも多く、検索機能が充実しているケースも多々あります。近年では、「トップス」や「ボトムス」のような大きなカテゴリだけでなく「ブラック」や「レッド」などのカラー別の検索機能や、サイズ別、さらにはボトムスの種類別検索が可能なサイトもあります。「チノパンを探しているのにデニムがたくさん表示されている…」なんて煩わしさもありません。そのため、ネットショッピングでありながらも大型ショッピングモールを巡っているかのような気分になることと思います。複数のブランドの中から、検索機能をうまく活用することで効率の良いショッピング体験ができますよ。
個人でのショッピングはもちろん、旦那さんやお子さんの洋服をまとめて購入するなど利便性の高いECサイトの1つだと思います。まとめて購入することで送料無料の場合もあるため、小さなお子さんがいて日中にショッピングモールに足を運ぶことができない、または長時間ショッピングで洋服を吟味する時間を作ることができない親御さんにもオススメです。
個人経営通販
個人経営通販は、登録無料のショップ運営サイトの増加などにより敷居が低くなりつつあります。そのため個人経営の通販サイトは近年非常に増加傾向にあります。CMなどのメディアで見かける機会も多いのではないでしょうか。そんな個人経営通販は、オーナー自らが厳選したアイテムの販売など、実店舗を持たずに営業しているショップも多いです。そのため、隠れ家のようなショップ探しにぴったり。自分の好みにハマるショップを見つけた時の喜びはひとしお。海外セレクトの古着を扱うショップから、パーティードレス専門店まで多岐に渡ります。実店舗を構える有名ブランドよりも安価なプライスの商品がある場合も。
また、人と被りたくないというファッションにこだわりのあるお客様からもウケています。名前が知れていない分、ちょっぴり怖い…なんてイメージを持たれがちですが、ショップ運営サイトの登録をする際に個人情報の入力はマストですし、安心して利用できる工夫はしっかりとなされています。
個人経営通販は独自の仕入れルートを持っているオーナーも多いため、「ここでしか出会えない」を見つけるのにもぴったり。宝探しのような気分を味わってみてはいかがでしょうか。
実店舗で買うよりメリットがある?
ここまでで、アパレル業界のECサイトの種類別に解説をさせていただきました。しかし「実店舗があるなら実店舗で買えばいいのでは?」なんて疑問を持たれる方も多いのではないかと思います。実店舗を持っていない個人経営の通販以外だと、確かに実店舗で購入することも可能です。また、元アパレル販売員の経験のある筆者としても実際に手にとって、販売員とトークをして購入を決めてほしい気持ちはもちろんあります。
しかし、近年は働き方の多様化やライフスタイルの変化などによって、なかなか実店舗へ足を運ぶことが難しい方も多いですよね。そのため、ここからはアパレルECサイトで購入するメリットをご紹介していきたいと思います。
ポイントが貯まる
もちろん実店舗での購入の際にも、ポイントカードやアプリでポイントを貯めることができるショップもあります。しかしながら、インターネット通販サイトは独自のポイントサービスやポイント2倍などのイベントを行っている場合があります。そのため、効率よくポイントを貯めることができるチャンスは多い印象です。
また、上記でご紹介したような複数のショップが集まっているファッションモール通販であれば、貯めたポイントをポイントカードがないショップやセールをしないショップで使うことも可能。(一部例外あり)これはインターネット通販ならではの醍醐味ではないでしょうか。コツコツとポイントを貯めていけばセールアイテムをさらに割引したプライスで手に入れるなんて使い方もできますよね。お得にショッピングを楽しみたい方は、インターネット通販のポイントキャンペーンをうまく活用することをオススメします。
口コミが豊富
インターネット通販のサイトには、「口コミ」、「商品レビュー」と呼ばれる、実際に購入したお客様のリアルな声が記載されているページがある場合が多いです。アパレルショップの販売員がウソを言っているわけではありませんが、リアルな着用感などが伝わってくるのは口コミならでは。そのアイテムに対する率直な意見も多々掲載されていますので、購入の判断基準にはぴったりです。実際にサイトで口コミを見てみると分かるかと思いますが、イマイチな商品だった場合の口コミは厳しいものがズラッと並んでいる場合もあります。ショップでオススメされたら、よく販売員のトークに流された勢いで購入してしまう…なんて方はインターネット通販で口コミを見てから購入することをオススメします。素人が自分の言葉で記載している分、言葉選びも分かりやすく読んでいて参考になることも多いですよ。
時間を選ばない
ショッピングモールやセレクトショップ…どのジャンルのショップも必ず営業時間や定休日は存在します。そのため、残業や休日が合わないと実店舗へ出向くのも困難ですよね。自身のストレス発散や、趣味のためのショッピングであれば休日を利用して実店舗へ出向くのもアリですが、冠婚葬祭など突然必要になったアイテムを購入する時は少々困ってしまいます。週末は彼(彼女)とデートなのに、それまでに休みがない!なんて場合も。そんな時こそ、インターネット通販の出番ではないかと思います。インターネット通販は、サーバーメンテンスでもない限り24時間365日営業。忙しい方の味方です!これはとてもありがたいことではないでしょうか。
もちろん発送までの日数や時間を考慮して、事前にそのあたりは調べておくべきですが近年は「お急ぎ便」という即日配送や、翌日配送を導入しているサイトも多いです。注文した日の夕方や、次の日に商品が手元にあるという実店舗さながらのスピード感は、インターネット通販で注目するべきポイントではないかと思います。
完売必須アイテムも並ぶ必要がない
以前筆者が都内でアパレル業界に従事していた頃、近隣に有名ストリートブランドのショップがありました。そのブランドは新商品発売日には、隣の駅あたりまで並ぶほどの長蛇の列。嘘のような本当の話で、当時筆者も衝撃を受けました。あれから5年ほど経った現在、そのブランドもオンライン通販と銘打ってインターネットで気軽に商品を購入できるようになりました。それからも、もちろん新商品が発売されるたびに列はできているそうですが以前ほどではないようです。(都内の友人談)そして、そのオンライン通販では「〇〇(商品名)は〇月〇日の10:00よりオンラインストアに表示されます」と告知が出ています。要するに、列に並ばずして自宅からも購入のチャンスが見込めるのです。列に並んでも購入できない場合もあるため、早朝から並んで購入できなかった時のガッカリ感を味わうよりもオンラインで気軽にチャレンジしてみるのもアリかなと思います。
どうすればEC業務に携われる?仕事内容を紹介
ここまでお読みいただき、実際にEC業務が気になってきた方も多いのではないでしょうか。ここでは、気になるアパレルEC業務の仕事内容をご紹介していきたいと思います。筆者もEC業務に従事した経験があるため、リアルな声をお届けしていきますね。
メーカーやブランドのEC担当になることが1番の近道!
直販型のECサイトの業務は、実店舗のスタッフが行っていることが多いです。そのため、気になるブランドやメーカーの従業員になってECサイト業務を希望することが1番の近道と言えるでしょう。実際に筆者の勤めていた外資系ファストファッションのショップでは、アルバイトやパートスタッフがECサイトの業務を担当していました。
ただ1つ注意が必要なのが、全国展開しているショップの場合、EC業務を担っている店舗は都内1店舗など限られた場合が多いです。そのため、ECサイトスタッフ募集というような文言がない限り、面接や問い合わせの段階で訪ねる方が良いかと思います。しかし、ショッピングモール型であれば運営会社に就職することになるため、ECサイトスタッフとして活躍できる場合が多いです。ただ、実店舗では販売員と兼務の場合が多い中ショッピングモール型は実店舗での販売は行わないためパソコンスキル(サイトデザインスキルなど)が必要になってくる場合があります。パソコンが使いこなせるようであれば、販売経験やアパレル経験がなくても採用のチャンスがあるのも特徴。
アパレルに特化した派遣会社などでも、ECサイトスタッフの募集案件がある場合もあります。派遣会社に登録して、情報収拾をするのも1つの手かと思います。
EC業務の仕事内容
実店舗型の場合
実店舗の場合は、お客様のスローな時間帯や開店前に行うことが多いです。前日に入った注文データをパソコンからプリントアウトして、店舗のストックルームから商品を1つひとつピックしていきます。ピックしたアイテムを、綺麗にたたみ梱包して送り状をプリントアウトして発送します。そのためアパレル経験があれば、たたみや梱包もスムーズにできると思いますので、ECに特化した経験がなくてもチャレンジしやすいと思います。
ショッピングモール型の場合
ショッピングモール型の場合は、巨大な倉庫に商品を保管している場合が多いです。そのため、実店舗と同じく注文データをもとに倉庫内から商品をピックしていくこととなります。そしてピックしたアイテムを梱包して発送します。ただ、ショッピングモール型の場合は有料オプションのお急ぎ発送などがある場合があります。そのためプライオリティを考えてピックしていかないといけません。
また、実店舗を持たない分サイトへのデータ登録や写真撮影、などサイトコーティング業務も担います。そのため、PCを使った作業が多い場合もあります。しかし、近年ではECサイトの発展による業務効率化のため、ピッキング業務とデータ登録などで、EC業務の中でも従事する内容が分かれている場合も多いです。
今後のアパレルECはどうなる?
ECサイトの今後の動向は、おそらく右肩上がりになるかと思います。ビッグデータこそありませんが、筆者を含めまわりの友人、さらにはSNSを探っても確実にECサイトでの購入者は増えています。さらなるインターネットの発展とともに、今後の伸びしろも大きいことでしょう。
ただ、もちろん課題もあります。実店舗と在庫を共有しているショップのタイムラグ問題。実店舗で完売しているのにオンラインの在庫変更が間に合っていない時に起こる問題です。翌日や翌々日など、ピックするタイミングで「在庫がありませんでした。」とショップ側からメールが来るため、インターネット通販を利用して購入したお客様のショッピング体験を大きく下げかねません。
さらには、サイズ問題。靴のサイズや洋服のサイズ…大手ファッション通販では、体型を即座に測るスーツを配るなど策を練ってはいますが、着用の手間やアプリとの連携の難しさなど、まだまだ課題はありそう。老若男女が自分に合ったサイズを簡単に見つけられるようなサポートができたら、ECサイトは爆発的にヒットするのではないでしょうか。
しかし、上記の課題点を含めてもECサイトは忙しい人々の味方であることに変わりはありません。1度利用すれば分かるこの利便性、まだ利用経験はない方は是非トライしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、ECの種類から仕事内容などEC全般についてご紹介しました。「やっぱり販売員さんの人柄も含めて商品を購入したい!」そのような意見があるのも非常に良いことだと思います。ただ、それを前提としていてもいざという時の救世主のような役割を担えるのは、ECサイトの強みではないのかなと思います。